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くずきりって食材があります。葛切りです。マメ科の植物「クズ」の根っこが原料なのでそこから来ているのですが、このほかにも「葛餅」や「葛湯」の原料になっているし、さらにそこからのバリエーションもあるようです。この、クズの根だけで作った粉を本葛粉と呼ぶらしいですが、くずきりなどの市販品には、たいていジャガイモなどから取ったでんぷんが混合されています。

茹でると透明感があり、ツルっとした喉ごし、モチモチ感のある食材です。葛粉からは、くずきりの他、葛餅や葛湯などにも利用されます。

くずきりは今からの寒い時期にはかかせない鍋料理に付き物の食材ですね。小麦粉から作ったうどんや乾麺を入れたりもしますが、くずきりの透明感、ツルツル感、モチモチ感などは独特のものがあります。鍋にはちょっと太めの、あるいはきし麺タイプのものが合うと思います。そうめんのように歯ごたえではなく、喉ごしを楽しむには細麺タイプがいいでしょう。

そして、なんとこのくずきり、鍋料理のみならずサラダや和風のデザートなどにも使われている変わった食材なのです。見た目はトコロテン、春雨、しらたき(コンニャク)などとよく似ているけど原料がそれぞれ違い、当然味も違ってくる。バリエーションが多いのは、やはりクズであろうか。

トコロテンや寒天は成分が海草なので、豆や根から作られるものと根本的に違っています。ちなみに寒天は、食品のみならず型取り用の素材としても適しています。精度が非常に高いので歯科医院にもおいても緻密な再現が必要とする場合、実際に使われています。オレンジ色などに着色されているので分かりにくいですが。

さて、くずきりですが、鍋で使うときは先に短めに茹でたもの(3分前後)を使います。サラダやデザートなど単独で食べるときは長めに茹で、それを冷やしてから使います。基本的に鍋のときは熱湯の状態から茹で始めるとコシが出るようです。一方単独の場合は水から入れると軟らかい感じになるようです。

キュウリやワカメと組み合わせれば簡単なダイエット食にもなるでしょう。カロリーを低めに抑えるにはノンオイルのごまドレッシングなどを使うといいですが、そもそもくずきりは単なる炭水化物の塊なので、栄養バランスを考慮するなら、副食に気をつけたいところ。

三杯酢を使うとまさにトコロテン感覚。黒蜜を使うと和風デザートに。実際トコロテンも私の地域では三杯酢を使います。しかし関西では黒蜜をかける習慣があるみたいで、くずきりとトコロテンは見た目だけでなく、食べ方も似ているのね。変わったところではスパゲティの代わりに利用する人もいるようです。ミートソースをかけたりして。

デザートやお茶受けとして葛餅というのもあります。近頃では豆乳が入っているのもあったりして、それに黒蜜ときな粉を付けて食べるとか。「くず餅プリン」なんてのも登場しています。これは何度かテレビで紹介されているので見たことがある人もいるでしょう。

実は葛根湯も..

字を見れば分かるとおり、この葛根湯(かっこんとう)の成分のひとつに干した葛の根が使われています。昔から風邪薬の代わりとしても利用されている漢方薬で、現在でも愛用者は多いようです。

私も子供の頃、何度か飲んだ記憶があります。ドビンの中に大きなティーバッグみたいなのを入れて煮出して作っていました。真っ黒い液体で独特の臭い、甘み、苦味があり、慣れるとこれはこれでおいしのかもしれない。お茶なんかよりはるかに濃厚なので、いかにも効きそうな感じ。現在は飲みやすいように錠剤、顆粒、ドリンクタイプなどとバリエーションが増えています。

葛根湯ではなく葛湯(くずゆ)は薬ではなく熱い飲み物。ドロっとしているので体を温める効果がある。なのでこれも風邪対策には役立つでしょう。

メーカーさんもいろんなところに目をつけるようで、この葛湯にも例えばリンゴのダイエット効果を取り入れ「林檎くず湯」なるものも出しています。なんでも、痩せながら同時に胸が大きくなるらしい。まあ、カロリーが低いのでダイエットにはよいのかもしれないが、胸が大きくなるというのはなぜ?

【追記】
夜、未来創造堂という番組で、くずきり製作の実演を見た。溶いたくず粉をかき混ぜながら湯せんし、それを湯に入れるると、真っ白だったのが瞬間に透明になった。まるでクラゲのよう。それを冷水につけて包丁でたたくようにして細く切る。これでくずきりの出来上がり。すごい職人技を見た。

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