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ここ数年、マジックがブームになっている。テレビでもスペシャル番組が組まれたりして実にうれしい。マリック氏以降も凄技の若手がどんどん出てきているし、セロなどはすっかりおなじみになった。昔のテレビのマジックショーといえば外国で放映された映像をそのままを持ってきたのが多かった。もちろん国内で日本人が演じる番組もあったが、やはり雲泥差があった。

紙の花を次から次へ出したり、筒を持ち上げるとこれまた花が咲き乱れたり..もう、仕掛けがあるのは見え見えだし現象も全くつまらない。クロースアップマジック(近距離のもの、テーブルマジックも含めて)やスライハンドマジック(仕掛けを使わず手技が主体)はテレビではほとんど放映されていなかった。本当はこちらの方が何倍も見ていて楽しいのだが..

また日本のマジシャンの地位が欧米に比べ極めて低かったので、なかなかマジシャンが育たないし、テレビ局もまともに予算を組んで採り上げなかったんじゃないかな、単なる“余興”扱いされていたように思う。

時代は変わり(Mr.マリックの登場は社会現象にもなった)、テクニシャンが増えてきたのと客の目が肥えてきたのも相まって、今では少人数を相手にしたテーブルマジックがメインとなってきたようだ。

必然的にカードやコインマジックの出番が多くなる。日本では以前コインマジックを演じる人は少数派だった。それが今はどうだ、猫も杓子もやっている。いや、実際に猫や杓子がコインを扱っていたらそれこそ魔法だが。

日本でコインマジックがあまり演じられなかった理由として、昔は記念硬貨の他には大きなコインがなかったことがあげられると思う。小さいコインだと見栄えが悪いのだ(デザインもしょぼいし)。

今では500円硬貨というのがあるので皆当たり前のように使ってるけど(いつの時代の話をしてるんだ? というキミは若い)。また、昔はお金を粗末に扱ってはいけないというような罪悪感が潜在的にあったのかもしれない。実際私が学生時代、コインで遊んでいると教師に叱られたことがある。そんな時代だったのだ。

ただ、昔の50円硬貨は現在よりも大きい時代があった。一時期はニッケルや真鍮ではなく、鉄が含まれていたので、これは使えたのだ。磁石にくっ付くから。現在の日本の硬貨で磁石にくっ付く物はひとつもない。

大きなコインといえばアメリカのワンダラー、ハーフダラーという手もある。ただそれでは日本国内において客から借りたコインが使えない欠点がある(当然、仕掛けがないことを証明するために客から借りるのだ)。また今ではショップに行けばアメリカのコインを改造したギミックコインが簡単に入手できるので、そういう意味でも疑いを持たせないために日本のコインを使うのだ。(実際は...)

コインマジックの入門書として昔から名著とされているのに、二川滋夫氏の「コイン奇術入門」がある。これがお薦め。日本文芸社だったが今では出版社が変更されて出版されているようだ。そもそもコインマジックの専門書はカードマジックなんかと比べて圧倒的に少ない。また昔はなかった新技も研究され使用されている。マッスル・パスとかね。この技法を知らずに名人の演技を見ていると確実にひっかかる。

すごく丁寧な解説で好きな著者のひとりに松田道弘氏が挙げられる。彼の入門書もお奨めできる。マジックだけではなくパズルやゲームについて書かれたものもある。また読み物としても「トリック・とりっぷ」(講談社)、「トリックのある部屋」(講談社文庫)など非常におもしろい。

(故)高木重朗氏の入門書もお奨め。かなり昔から数多くの著書が出版されている。惜しくも他界されたが、早くから海外のマジックを翻訳、紹介され日本の奇術界に多大な貢献をされた方である。テレビにはあまり出ておられなかったが、プロマジシャンにレクチャーするほどの腕と博識があった。

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