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カード・マジックに用いるカードは、基本的に誰もが普通に購入できるものである。コインと同じくテクニックあるいはやり方さえマスターしていれば仕掛けは必要ない。

ただし、これは昔、高木重朗氏も言及されていたことだが、マジック用途にお勧めカードというのは存在する。国産のものは昔よりは良くなったのかもしれないが、あまり使われない。これは印刷技術の問題ではなく、あくまで紙の質の問題だ。

card昔からカード・マジックで最も多く使われるカードは、米国“U.S.PLAYING CARD”社の“BICYCLE”(バイシクル・ライダーバック)。写真下列のもので、単にバイシクル(バイスクル)と呼ばれる。テレビのマジック番組を注意して見ていれば分かるが、使用されるカードはほとんどこれである。サイズはブリッジサイズ(幅が狭い)とポーカーサイズ(幅が広い)があり、ポーカーサイズの方が見栄えがいいのでたいていはこちらが使われる。ちなみに写真上列にあるのは“キャラバン”(ブリッジサイズ)。昔はこれもよく使われたが、最近はあまり見かけなくなった。

で、このメーカーのカードは紙製なのに弾力があって“折れ”に強いのである。剥がれることもない。また新品時の滑りが非常に良く、扇形に広げたり、テーブルの上にサーッと広げることがいとも簡単にできる。普段マジックをしない一般の人がプロ(マリック氏とか前田知洋氏とか)のこの広げる演技? を見てオオーッと溜め息が起こったりするが、あんな広げるくらいのことは誰だってできる。

もしできないなら、それはあなたがヘタなのではなく、カードが悪いのだ。試しに100円ショップで売っているカード(紙製)とバイシクルを両方買って試してみればいい。実験すればすぐに分かることだ。その圧倒的な扱いやすさの違いにたぶん「卑怯!」と思うことだろう。分かりやすくいえば、「ホイミ」と「ベホマズン」くらいレベルが違うのだ。うまくなりたいのならこんなところでケチらず、良い物を買うことだ。たかだか数百円である。

またプラスチック製のヤツは、カード・マジックには全く適さないので絶対に買わないように。折れたら(折れやすい)終わりだし、滑りも悪い、割れやすい。そして扱いにくい。利点があるとすれば耐久性と耐水性だろう。アレはゲームで使ったり、子供が使うものだ(破れないから)。

あ、そうそう、マジック用に使うと決めたカードは決してゲームに使わないこと。すぐにダメになる。だいたいプロマジシャンは演技のたびに惜しげもなく新品のカードと交換するのだ。プロ・ギタリストが毎回新品の弦に張り替えるのと同じことである。それがプロだ。え? プロになる気はないって? キサマそれでもマジシャンかっ! だからマジシャンじゃないって..

※カード・マジックでバイシクルがよく使われる理由。あまりにも知名度が高く流通しているので、当然これを加工したマジック用品も多い(見た目は普通のバイシクルだが、実は仕掛けがある)。例えば左のものは両面が裏模様になっているダブルバックカード。

マジシャンは普段、仕掛けのないバイシクルをそのまま使っているので(一般客はそう信じている)、たまに仕掛け付きのものとすり替えても気づかれないのだ。これがデファクト・スタンダードの威力。これがもし一般になじみのないデザインのカードを使っていたら最初から何か仕掛けがあるのではないか? と疑われてしまう。実際にはテクニックだけで演じているマジシャンにとっては損な話だ。逆に初心者にとっては、黙って仕掛け付きバイシクルを使っても、客の方がかってに普通のカードだと信じてくれるのでメリットが多いのだ。

さて、“カード”ということばを頻繁に使ってきたが、これはもちろん“プレイング・カード”のことである。日本では一般的に“トランプ”という名称で親しまれているが、これが通じるのは日本人同士だけだ。いくら英語のように“トォラムプッ”などと発音しても外国では通じない。

ちなみに専門用語ではカードの束のことを「デック(デッキ)」と呼び、そこから複数の山に分割したとき、それぞれの塊を「パケット」と呼ぶ。また一番上は「トップ」、一番下は「ボトム」。

私の記憶が正しければ、“トランプ”というのは、かつてオランダ船が来て貿易が行われた時代、彼らが遊んでいたゲームで使われていた用語“切り札”のこと。“トランプ”と発音したらしく、それがこの紙の束の名称と勘違いしたらしい。こんな「ああ勘違い」は他にもよくあるので注意。例えば「テレビ」。テレ・ビジョンが変な所でカットされてああなった。ミシンなどはもっとひどい。

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